ひなた弁当 (小学館文庫) 文庫
あらすじ
人員削減を行うことになった勤務先で、五十歳目前の芦溝良郎は、上司に騙され出向を受け入れる。紹介先の人材派遣会社では名前を登録されただけで、きつい仕事ばかりを紹介され長続きしない。家族からはこれまで通りにしてくれと言われ、スーツ姿で朝から出ていく。やがて心の病を自ら疑うようになった頃、以前の派遣社員の新たな姿に励まされ、公園で見かけたのがドングリだった。そこでの思いつきが、良郎の運命を大きく変えていく…。追いつめられた末に、本人も気づかなかった潜在能力を発揮し始め、逞しく変貌していく主人公を描いた感動の長編小説!
感想ネタバレ
帯には《リストラ・転落・大逆転》とありました。
読み始めはおじさんの悲哀に溢れています😅
休日返上で上司や同僚とのコネ作り、もとい、野球大会っていう親睦会。
「田中さんには謝っておいた方がいい」と上司に言われたから謝りに行ったけど、田中さんはこの上司よりも上の人で、「君はしつこいね、いい加減にしたまえ」なんて一蹴されたり。
色んなことが裏目に出て、優しい言葉を真に受けてけっきょくリストラに遭う羽目に。
「別に人の優しさを疑え」っていうんじゃなくて、信じたのはあなただよ?とは思うかな。
五十歳かあ。
何してるんだろうなあ僕。(笑)
で、良郎は色んなことにチャレンジするけど上手くいかない。
五十で未経験なことにチャレンジするのはキツイよね。
だけどドングリをきっかけに変わる(笑)
端折りますが、きっかけは何だっていいんだよね。
やっぱ「行動するかどうか」ってとこで。
読んでてハッとしたのは周囲の人間は何も変わってないんだよね。
変わったのは良郎自身。
良郎が変わったから周囲の人間も変わったって面はあるけど。
久しぶりに再開した同級生との思い出が良郎の思い出とは違っていて、同じ時間に同じ経験をしていても、捉え方って人それぞれなんだなあとしみじしみしたもんです。
でも、あ、そんなもんか〜とも思ったり。
例えば、同じニュース・記事・漫画・映画・小説をみても印象や感想は人によって違うもんね。
称賛があれば酷評もあるし、楽しい/つまらない、面白い/面白くない、好き/嫌い。
思い出も、人によって受け取り方が違うのはごく普通のことかあ。
思い出だけが全員同じって、その方が変かもね。
そりゃ楽しかった思い出はみんなもそうであって欲しいと思うけど。
まさか、自分と同じ気持ちじゃなきゃ気に入らないとかないよね?(笑)
良郎が《リストラ・転落・大逆転》したのは良郎の努力というか、良郎自身が変わったんだなあ、と思いました。
そういえば、僕自身が変わったから「彼」と出会ったんだ
はっはっはっ
おじさんが読むと元気出るかも(笑)
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